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設備異常検知とは?
AI・センサーで「いつもと違う」を捉える仕組みを解説

製造現場では、設備の突発的な故障や生産ラインの停止を防ぐため、日常点検や定期的なメンテナンスが行われています。

一方で、人による点検だけでは、点検と点検の間に発生する小さな変化を継続的に確認することは簡単ではありません。

そこで活用されているのが、センサーなどから取得した設備データをもとに、通常とは異なる状態や変化を捉える「設備異常検知」です。

設備異常検知で重要なのは、単にデータを収集することではなく、正常に稼働しているときの状態を把握し、そこからの変化を捉えることです。

本記事では、設備異常検知の基本的な仕組みから、振動データの活用、AIを使った分析方法、異常を検知した後の保全へのつなげ方まで分かりやすく解説します。

設備異常検知とは?

設備異常検知とは、設備から取得したデータをもとに、通常とは異なる状態や変化を捉え、点検や保全の判断材料として活用する考え方です。

例えば、振動や温度などの設備データを継続的に取得しておくことで、普段の設備状態と比較し、変化が起きていないかを確認できます。

ただし、設備異常検知は、「いつ故障するのかを正確に当てる」ことを意味するものではありません。大切なのは、「いつもと違う状態」に早く気付ける環境を

整えることです。

設備監視と設備異常検知の違い

「設備監視」と「設備異常検知」は似ていますが、その役割は少し異なります。

設備監視は、設備の稼働状況や各種データを継続的に把握することが中心です。一方の設備異常検知は、取得したデータを通常時の状態などと比較し、

普段とは異なる変化が起きていないかを捉えます。

つまり、

設備監視:設備の状態を把握する

↓
設備異常検知:設備の状態変化に気付く

という関係で考えると分かりやすいでしょう。

設備異常検知はどのような仕組み?

設備異常検知では、設備から取得したデータを継続的に確認し、その変化を捉えていきます。基本的には、次のような流れで考えることができます。

① 設備データを取得する

  ↓

② 通常時のデータを蓄積する

↓

③ 現在のデータと比較する

↓

④ 通常とは異なる変化を捉える

ポイントは、ある瞬間の数値だけで異常かどうかを判断するのではなく、普段の状態からどのように変化しているのかを見ることです。

例えば、設備の振動が一時的に大きくなったとしても、それだけで異常とは限りません。過去のデータや通常稼働時の傾向と比較しながら、

普段とは異なる変化なのかを確認していくことが重要です。

振動データから設備異常を捉える方法

設備異常検知に利用できるデータには、振動、温度、音、電流などさまざまなものがあります。

その中でも、モーターやポンプなどの回転機器の状態を把握する方法の一つが、振動データの活用です。

振動データを見る際には、単純に「揺れが大きくなったか」だけでなく、振動に含まれる特徴を分析する方法があります。例えば、

振動センサーでデータを取得する

↓

振動の特徴を分析する

↓

通常時との違いを確認する

といった形です。

このように設備から得られるデータを活用することで、人が「何となく振動が違う」と感じるような変化を、客観的に確認するための材料にできます。

ただし、設備によって構造や稼働条件が異なるため、すべての設備で同じデータや分析方法が適しているとは限りません

AIを使うと、設備異常をどのように検知できる?

設備から継続的にデータを取得すると、多くのデータが蓄積されていきます。こうした大量の設備データから通常状態との違いや時間的な変化を捉える方法

の一つとして、AIや機械学習を活用した異常検知があります。

例えば、正常稼働時のデータから設備の「正常パターン」を把握し、そのパターンと現在の設備データを比較する方法があります。

また、時系列のデータを分析し、時間の経過に伴う変化を捉える方法もあります。

例えば、CollaboViewファクトリーのAI予知保全機能では、正常稼働時の振動データをもとに「正常パターン」を定義し、

リアルタイムデータが正常パターンからどの程度離れているかを異常スコアとして算出する仕組みを備えています。

また、LSTM(過去の時系列データから将来の状態を予測する機械学習手法の一つ)を用いて、時系列データから将来の状態を予測する仕組みも

組み込まれています。

AIや機械学習を活用することで、人が継続的に確認することが難しい大量の設備データから、通常とは異なる変化を捉えるための判断を支援できます。

設備異常検知にはどのようなデータを使う?

設備異常検知に利用するデータは、対象となる設備や検知したい変化によって異なります。例えば、

  • 振動
  • 温度
  • 音
  • 電流
  • 稼働情報
  • 周辺環境データ

などが考えられます。

ただし、取得できるデータをすべて集めればよいわけではありません。大切なのは、

どの設備を対象とするのか ↓ どのような変化を捉えたいのか ↓ そのためには何を測る必要があるのか

という順番で考えることです。

例えば、回転機器の状態変化を把握したい場合と、設備周辺の環境変化を把握したい場合では、必要となるデータも異なります。

まず「何を測れるか」ではなく、「何を知りたいのか」から必要なデータを考えることがポイントです。

振動・温度・音など、設備停止の前に現れる可能性がある変化については、関連記事で詳しく解説しています。

設備異常検知は「検知した後」が重要

設備異常検知は、「異常を見つけること」自体がゴールではありません。通常とは異なる変化を検知した後は、実際の設備状態を確認し、必要に応じて点検

や保全につなげます。

そのため、

状態を捉える

↓

変化に気付く

↓

確認・対応する

↓

保全・改善につなげる

という一連の流れで考えることが重要です。

また、異常を検知した際に、

  • 誰が確認するのか
  • 何を確認するのか
  • どのような場合に点検するのか
  • 対応結果をどのように記録するのか

といった運用まで整理しておくことで、設備データを実際の保全活動に活用しやすくなります。

設備異常検知は単に「異常を知らせる仕組み」ではなく、設備の変化に気付き、次のアクションにつなげるための仕組みとして考えることがポイントです。

設備異常検知から予知保全へ

設備異常検知によって普段とは異なる状態を捉えられるようになると、その情報を設備保全の判断材料として活用できます。

設備が故障してから対応するのではなく、設備状態の変化を確認しながら、必要なタイミングで点検や保全を検討する。この考え方が、予知保全につながり

ます。

一方で、予知保全と予防保全では、保全を行うタイミングや判断基準が異なります。それぞれの違いについては、関連記事で詳しく解説しています。

まとめ|設備異常検知は「正常との違い」を捉えることから

設備異常検知の基本となるのは、設備が正常に稼働しているときの状態を把握し、そこからの変化を捉えることです。

振動や温度、音などの設備データを継続的に取得し、通常とは異なる変化を確認することで、設備を確認・点検するための判断材料として活用できます。

さらにAIや機械学習を組み合わせることで、大量の設備データから正常状態との違いや時間的な変化を捉える方法もあります。

重要なのは、センサーやAIを導入すること自体ではなく、「どの設備の、どのような変化を捉え、その情報をどのような保全活動につなげたいのか」を明確に

することです。

まずは、対象となる設備と、現在どのような設備データを取得できているのかを整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。

設備の「いつもと違う」をデータで捉える

CollaboViewファクトリーでは、振動などの設備データを収集・蓄積し、機械学習による傾向分析と組み合わせて、故障兆候の検知や保全時期の判断につな

げる考え方を採用しています。

「自社の設備では、どのようなデータを確認すればよいのか」 「設備異常検知をどこから始めればよいのか」

といった段階から、設備データの活用方法を検討できます。